陵辱ファンタジジアその1


今度こそは。

今度こそはこの屈辱を雪ぎて、我が『ラグナスヒルド』すなわち、大神の最も寵あつき、「偉大なる乙女」の名に相応しい武勲をあげねばなるまい。

かつて、その強大なる力と魔力をもって人間たちを指導し、栄華を誇った我等アースの神軍も、ある裏切り者の奸計と人間たちの反乱により地上を追われ、この閉鎖世界「アスガルド」への撤退と、それに続く雌伏の時間を余儀なくされた。

無論、私の如き十二神ならざる軍天使の身には、そのような悠久の昔の事件を直接知るべくもないが、生まれたときから目にしつづけてきた偉大なる神々、最も強き神トール、聡明なるフレイ、そして、私を軍天使の長へと取り立てて下さった最も大いなる神、我が父神、大神オーディンの寵に報いる為にも、二度と、恩知らずにも神々に反旗を翻した人間どもになぞ遅れをとるわけにはいかない。

そう、使命感に燃えて出陣した先の戦であったが。

「くうぅっ」

不動のままに仁王立ち、碧玉の瞳を虚空に向け、先の戦を思い出す。思い出すだけで恥辱と怒りに臓腑が熱く燃えたぎる。私の自慢の、細工の名手たる地下の侏儒の手による、黄金細工にも似た、細く、きめやかな髪と、その侏儒の手をもってしても生み出せまい純白の翼が怒りに揺れる。

天界で最も強く、気高く、美しいとうたわれ、神軍十万騎のうち、軍天使二万を従える姫将軍とはやされたこの私が、たかが人間の蛮族の王に遅れをとろうとは。

いや、遅れをとったなどと言うものではない。完膚なきまでにプライドを破壊され、この私を玩具の如く弄んだ人間ども。悠久の雌伏の時を経て、神軍が再び活動を再開するにあたって、人間側に警戒するべきものはほとんどないはずであった。

神々の弱点を知るものは人間界に生き残っていようはずもなく、神を忘れた人間たちは互いに相争い、一致団結して神に刃向かうことなどできる状況ではないはずだ。

それに、偉大なる十二神を傷つけられる武器も今の地上の技術で再び鍛えることなど出来ようはずもない。恐るべきはすべて、かつての反逆の記憶とともに地上からは消え失せているはずだった。

そう。はずだった。

「まさか地上にあんな使い手がいたとはな」

誰に言うでもなく、神軍の姫将軍などという肩書には不似合いなほど柔らかい、桜色の唇から呻きに似た呟きがもれる。軍天使、しかも大神直属の軍天使のこの私を、文字通り女子供の如くあしらってくれるとは。

怒りと恥辱に目の前が朱に染まる。そして人間どもの総王の私への仕打ち。思い出すだけで、必死に奮い立たせた勇気がくじけそうになる。悔しさに、目から涙をこぼし、いつのまにか、私は知らず知らずに自分の肩を抱きしめ、体を震えさせていた。

不可侵の、まさに、「神の肉体」と呼ぶに相応しい結界を持つ神々には、元来恐れるものなどなにもなかった。神を傷つけられるのは神々自身の武具のみであり、例え百万の人間の軍勢に襲われようとも、真に神の名に相応しい十二神には恐れるものなど何もないはずであった。

だが、かつて神々の間に座した一人の裏切り者の手により、神の武具の秘密が神への反逆を企てる人間どもの手に漏らされた。当時、世界最高の魔術師や錬金術師達の手によって、辛うじて完成にこぎ着けた十二本の神殺し。その内の一振りを今だ伝える、地上の古王国、ムーンティアとアルビオン。

月と太陽にあだなされるこの二王国のうち、日の沈まぬ国とよばれ、地上世界に大きな影響力をもつ西海の大国攻略が、大神より賜った私の任務であった。

地上に這いつくばった人間どもの兵士など、我等神軍の敵ではない。私は直属の親衛隊と、我等神軍に帰依し不死の肉体を得た、死せざる戦士達を合わせて二十騎ほどを率い、アルビオン王城を直接、強襲した。地上では強国といわれるアルビオンの兵士とて、無論我等神の軍勢に抗えようはずがない。

我が神鉄の剣は重い鋼の甲冑を紙の如く切り裂き、繊細な飾りにも似た黄金の胸当ては人間の剣には髪の毛ほどの傷もつけられはしない。密林の下生えを切り開く程度の労力のみで、私たちは悠々と王の玉座の前にまかり出た。

「我はアスガルドの大神オーディンが娘、ライラ・ラグナスヒルドぞ。大神オーディンの名代として汝に問う。 速やかに新しき神を捨て汝らが真の神の御元に帰依するが良い。さすれば我等寛大なる慈悲をもって汝らを迎え、新しき神の軍勢より汝らを開放しよう」

わずか二十騎の我等を止める術すら持たぬ近衛兵どもを前に勝者の余裕と寛大さをもって私は宣した。抜き身の血刀を右手に下げて、私は王の前へと歩み出た。だが、アルビオン王は玉座の肘掛けに左の頬杖をついたまま、値踏みするかの目で私の体をねめまわした。

「ハロルド卿」

アルビオン属領の一つ、北地のハイランドの戦士と思しき屈強の男に王が声を掛ける。そして波うつ髪の蛮族の戦士に顎でこちらをしゃくって見せる。無言での攻撃命令だ。大剣で有名なハイランドの両手剣だが、男の抜きはなった剣は、一般のそれよりさらに巨大であった。我が手にある神鉄の大剣も長大かつ重厚な造りであったが、男の剣はさらに分厚く、広く、重かった。

男はそれを木剣か何かのように軽々と、怒濤の如く繰り出してくる。一瞬の隙でもあれば間合いを取り直し、自分のペースに戻すことも出来よう。だが男の剣はあまりにも疾く、よけることすらままならない。我が剣をもって、受け防ぐのが精一杯であった。一合ごとに恐ろしい程の火花が飛び散る。正直、白兵戦で怖いと感じたのはこれが初めてであった。徐々に、さらに速さを増す男の剣撃に、次第に私の動きがついていけなくなる。恐怖と、悔しさと焦りが、ついに足をもつれさせる。

「あっ」

私の唇からつい、声が漏れ、足がもつれ、腰が落ちる。体が反射的に剣を取り落とし、倒れる体を支えんと両手をつく。ちょうど、膝を立て、四肢とお尻で体を支える、無防備かつ無様な姿を晒す形になる。絶対絶命の危機に、我が身を案じた近衛の部下が二人、男に挑む。

一瞬であった。
どちらも人間だった頃は類まれなる勇者と呼ばれた屈強の戦士であった、その二人が、この戦士の大剣に反応すら出来ずに二つの首を切り落とされ、なすすべもなく動かぬ躯と化す。

二人の首から吹き出す血が私の体に降り注ぎ、全身を朱に染める。そして、刈られた二つの首が、私の立てた膝と上体の谷間に籠球のように吸い込まれる。そして、まだ生暖かくぬめる血糊が綿の衣にしみ込み、一層不快さをます。忠実かつ信頼できる二人の部下の首を股間に受け、血にぬめる衣越しの接吻に、さすがの私も漏らしそうになる悲鳴をこらえるのに精一杯であった。

そんな私に眼前の戦士が、凍るように冷たい目を向ける。そして、大上段に構えた大剣を私めがけて降り下ろす。反射的に構えた剣が、その一撃ではじきとばされる。だが男の剣も度重なる我が神鉄の剣への斬撃の結果、中程から断ち切られる形に真っ二つに折れる。男の、圧倒的な強さに、最早手も足も出ない。司令官を倒され、近衛二人が反応すら出来ずに血祭りにあげられ、私たちはたった一人の男の手で、進軍の足を完全に止められてしまった。

「相変わらず女は切らんというわけか」

アルビオン王が口許に冷笑をたたえて戦士にささやく。

「さすがにハイランドの「王」は紳士だな。だがそちらの姫君がそれで納得され
るかな」

王の言葉に、今一人の「王」と呼ばれた戦士が慇懃に口を開く。

「納得する、しないではありません。この女も勝ち目がないのは判っておりましょう。どのみちこの状態では身もすくんで足腰も立たぬでしょう。捨ておかれても問題は」

「なめるな!」

剣を両手に、血溜まりの中、辛うじて私は立ち上がった。立て続けのショックに正直、膝も腰も自分の体ではないかのように痺れ、がくがくと震えが走るが、私は神軍の姫将軍として大神の寵を受けるこの身のプライドだけで再び剣を構える。部下たちの前で、これ以上恥辱を晒したくないという気持ちもあっただろう。

「こちらを向け!」

悲鳴にも似た私の叫びに、男がゆっくりとこちらを向き直る。

「背中から斬ればいいだろう。どのみち私に最早剣はない」

男が他人事のように言い捨てる。まるで私がプライドだけを頼りに動いているのを見透かしているかの発言が、余計に気に触る。そんな状況を楽しむが如くくつろいだ態度の王が、玉座の傍らの長剣を抜き放ち、戦士の足元に投げ捨てる。私の剣より長く、男の剣より厚く、しかし刀身は細く、先に行くほど細く、優美な、目を奪われるほどに優美な黄金と白銀の大剣であった。神殺しだ。神々の技術を盗み出し、鍛えられた、悠久の昔の遺産。神々の地上撤退と歴史を同じくする古王国アルビオン。その王家の宝剣であり、王権の象徴たる聖剣を、王は無造作に属領の王へと投げ捨てて見せた。

「滅多にない機会だぞ。使いたまえ、ハロルド王」

戦士の顔色が凍る。王権の象徴、聖なる剣を投げ与えられた属領の王の気持ちはいかほどのものか、私には想像もつかないが、男もまた、与えられた剣で独立を勝ち取るには誇りが邪魔したのであろう。剣先は、ゆっくりと私の方へと向けられた。

「こ、今度は不覚はとらんぞ」

神殺しの一振りを構える蛮族の王に、私も黄金の大剣を構える。男の一撃を捌いて、生じる隙に突きを入れる。勝算はそれしかないだろう。大きく振るう動きでは、男の斬撃にはついてはいけない。ならば衝撃力を捨てて速さを取らざるをえまい。

「来い」

私の声に、男が剣を振るう。その剣を受け流し、捌くところから私の番だ。だが、現実には違った。神殺しは、神鉄の大剣を易々と切り裂くと、吸い込まれるようにその剣先を私の懐に突き伸ばしてきた。
宝飾細工にも似た黄金の胸当てを易々と切り裂き、その下の綿の衣を切り開く。
私の肌だけを残して、男の剣は首から股間までを一刀に切り開く。

切り開かれた服の下の、私の素肌が男と、王と、私の部下たちの前に晒しものにされる。冷たい、神殺しの刃が私の股間に押し当てられ、秘唇の間に食い込んでくる。今度こそ、恐怖のあまり、身動きすらできない。

男が、わずかに剣先を動かす。
それだけで体を切り裂かれるかの痛みが電流のように背筋を走り抜ける。
生まれてから今まで、人に触れられたこともない、敏感なその場所に鋼の刃を押し当てられ、身動きも出来ぬままその場所を晒す屈辱と恐怖に、涙腺に痛みとしびれを感じる。
男が、私の敵意を完膚なきまでに破壊せんと、鋼の刃がゆっくりとグラインドさせられる。鼠蹊部をなめるように走る鋼の冷たさと刃の痛みに、陰核が硬直し、男の剣にとろりとした体液が絡みつく。
それを自覚した瞬間、私の中で何かが切れた。痺れ切った秘唇の隙間から、勢いよく、熱い排泄物がほとばしる。同時に目尻から止めどもなく涙があふれ、がくがくと震える膝が一気に力を失う。

腰を落とす私の股間から刃が引き離され、引き際にとどめとばかりに硬直した陰核の、剥き出しになった、私の、最も敏感な芽の薄皮一枚を削ぎ落とす。
薄皮を削がれた陰核からぷつぷつと沸きだすように血の珠が盛り上がる。
この瞬間、私は不覚にも完全に人間共に屈伏していた。プライドを破壊され、最早反撃する気力すら残されてはいない。

「それは王家の宝剣だよ。それを汚した責任をどうとる? ハロルド」

アルビオン王があいも変わらず淡々とした口調で囁く。

「舐めさせろ」

私の鼻先に私の排泄物で濡れ光る剣先が突き出される。恥辱に頬を染めながらも顔を背ける。と、背けた先に、再び剣が突き出される。
その剣身に、私は唾を吐きかけた。破壊された、ぼろぼろのプライドの中の精一杯の抵抗のつもりだった。だが、それは当然、男の逆鱗に触れる結果となった。

男が、剣先を服の胸元の切り口に突き入れると、そこから豊かな胸を掻き出す。
天空を舞うにも、剣をもって立ち回るにも邪魔にしかならない大きな胸は、しかし男共の卑猥な視線だけは集め、私にとっては邪魔なものでしかなかったが、こんなところでまたしても私を窮地に追い込むことになるのか。

悔しさよりも恐怖に身がすくむ。胸の切れ目から白く大きな肉の塊がこぼれ落ちる。そしてその先端の、緋色の突起の先端を、剣先が薄く切り裂く。私は、声を抑えるのが精一杯だった。脅えを含んだ敵慨の目を男に向け、必死に心を奮い立たせる。
手足ならば骨を折られようと肉を削がれようと、闘争心を失わない自信はあるのに、何故にこの男の責めは私の心を蝕むのであろうか。再び、剣先が服の切り口に差し入れられ、巧みにもう一つの乳房をほじくり出す。そして、剣の切っ先を乳首の先に押し当て、脅すように数度、円を描く。濡れ光る剣身が、私の鼻先に突きつけられる。

私は、恐怖のあまり舌を目一杯に伸ばして、犬のようにその剣身を舐め回さずにはいられなかった。屈辱と恐怖に涙を流し、自分の尿で濡れ光る敵の剣を舐め回す。しかも、自分の部下たちの目の前でだ。思わず目をそらせてくれるもの。
私への反発からか、嘲るような目線を投げかけてくるもの、汚物を見るような目でこちらを見るものすらいる。だが、私にはどうすることも出来ない。一撃で殺されるなら恐れもしないが、もしもこれ以上のことをされるとすると。
恐怖に、顔がさらに青ざめる。

「もう二度と、このアルビオンの地に攻め入ろうなどという考えは冒せないようにしてやらねばな」

今の今まで傍観者に徹していた王が重い腰を上げる。
何をされるのか。恐怖に身をすくめながらも、私は王の動きを目で追った。
王は、大理石の床に力なくしゃがみこむ私の前に立ちはだかると、ちょうど私の頭上あたりにくるガウンのすそを開き、私が生まれて初めて目にした肉の蛇のような器官をこちらに向けた。
無論それが何かは私にも理解できる。

力なく垂れ下がったその巨大でグロテスクな器官を私の顔に向けると、私の自慢の髪と顔、そして翼めがけて勢いよく排泄物を注ぎかけた。一瞬、それが何か理解できず、顔面で受け止めた私は、次の瞬間咳き込みながら顔を背け、目をきつく閉ざした。

「こういう目に二度とあいたくなかったら、この国にには二度と近づかん事だよ、お姫さま」

再び、ガウンの奥にそれを収め天界で最も美しいと言われた金の髪と、純白の翼から汚物を滴らせる私に王は猫をなでるように言って聞かせる。

「床にこぼれているものをきれいに舐め拭き取って、出て生きたまえ」
「い、いいかげんにしろ」

度重なる屈辱に、私はついに再び、抵抗の言葉を口にする。
だが、それはまさに蚊の鳴くよなか細い声でしかなかった。

「ほう。まだ教育が足りないかね。姫君」

王が指を鳴らすと、今度は重い鋼の拘束具を携えた拷問吏が姿を見せる。
そして、王は、人差し指と薬指で私の秘唇を圧し開くと、間の中指をまだ膜に覆われたままの膣口にそっと圧し当てる。

「動くとどうなるか、私は知らんよ。殺しにきた相手の、しかも指に純潔を捧げる気なら動いてみたまえ」

そう脅す王の指が私の膣口の周りをなでさすり、威嚇する毒蛇の尾のように震える。その間に拷問吏は私の四肢と、首に順次枷をはめていく。重い鎖と、錠前のついた奴だ。革のベルトの枷を錠前で留め、それに鎖を繋ぐ。

「やめろ。それ以上やったら...」
「それ以上やったら、なんだね?」

王が問う。

「お前たち! かかれ!」

あの男がいるかぎり、無駄な足掻きにしか過ぎない武力制圧命令を、ついに私は口にした。玉砕命令に部下たちが従い、一斉に王の命を狙う。だが。その瞬間。
部下の半分が一瞬で首を落とされ、絶命する。男が、女は斬らないといったのは事実であろう。

残ったのは私と同じ戦乙女6名と、神軍の戦士わずかに2名。その戦乙女たちも半分が寸止めの太刀に腰を抜かし、失禁させられている。首を落とされた死体が、血と、汚物を洩らす。
既に広間は地上の指導者たる、日の沈まぬアルビオンの王の広間とは思えぬありさまだ。

「部下の粗相は上官の責任だ。床を舐めて綺麗にしたまえ」
「断わる!」

王の命令に、私は再び牙を剥いた。と、首の鎖を王が握り、その繋ぎ目を一気に踏み抜く。当然、私は勢いよく床に引き倒される形になる。無理やり床に口づけさせられ、しかし私は、断固抵抗を示した。

「わかった。もう容赦はせんよ」
王が冷たくいいはなつ。そして今度は、四人の兵士の手で鎖を引かれ、大の字に立たされる。
「やめて欲しくて、気が変わってももう聞かんよ。次のチャンスは私が君に問いかけるときだ」

屈服の証王が太い錐のようなものと、金のリングを部下に用意させる。そして、錐を右手に、ゆっくりと私の左の乳房を揉み、二本の指で私の、赤く充血した乳首を押さえる。そこで始めて、私は王の意図を察し、あわてて首を振った。

「わかった! もうお前たちには手を出さない!だまって引く!それでいいだろう」

だが、王は容赦なく私の乳首に錐を通そうとする。

「床も掃除する! 二度と逆らわない! だから、お願いだからやめてくれ!」

ゆっくりと、錐が柔らかい皮膚を突き破ろうと力がこもる。

「床も舐める! 何でもする! だから、もうやめて!」

ついに、錐が私の乳首の肉に達する。と、王は急に手に力を込め、一気に錐先を貫通させる。あまりの激痛に、食いしばった歯の間からよだれがこぼれ、目からは涙が溢れ落ちる。全身から汗が噴き出し、そして再び、私は小水をほとばしらせてしまった。だが、今度は鎖で支えられ、倒れることすらできない。小水が途切れ、今度は膣口から何か粘液のようなものがしたたり落ちる。それは私の秘唇から、ゆっくりと糸を引いて床に達した。

「うっ....うっ.....」

堪らず嗚咽を洩らす私の乳首の、今し方穿たれた穴に、太い金のリングが通される。Cの字型に切れ目の入った部分から、乳首の穴を通され、そしてちょうど半分のところで止められる。
そして。

「あぎゃああああっ!!」

私の口から喉も避けんばかりの絶叫が漏れる。軽く横から押され、切り口を重ねたうえから、真っ赤に焼けたやっとこで封環がなされたのだ。余熱で、乳首の穴から細く白い煙が上がる。
それだけでまるで乳首から焼け串を刺されたかの激痛が、乳房全体を襲った。
金の環の封じられた部分には、アルビオン王室の黄金の獅子の紋章。
やっとこ自体にぎざまれていたのであろう、私が彼らの前に屈したということを示す、厭味なまでの証拠だ。

だが、今の私に、その厭味を厭味と採る余裕は微塵もなかった。激痛が収まるまで、胸は大きく波打ち、汗は滝のように噴き出す。鎖で四肢を押さえられながら、私は痙攣するかのように全身を震わせた。やがて、どうにか心臓も肺も落ち着きを取り戻す。と、今度は王が右の乳首を指で摘んだ。

「いやぁ....やめてぇ....」

情けない、鼻に掛かった哀願の声を上げて、私は許しを乞わずにはいられなかった。だが王は淡々と錐を構えると、容赦も哀れみもなく、私の乳首を貫いた。そして、ほじるように錐を動かし、穴を広げる。広がった穴に、再び、今度は金の棒が通される。
金の棒は、王の意外に器用な手のペンチで巧みに曲げられ、次第に、リングというよりは鎖の環に近い、長方形の形に整えられていく。

もちろんそれを冷静に観察する余裕は私にはなかった。ただただそのペンチの私の敏感な肉芽が挟み込まれないか、痛いことはされないかが心配で、正直、泣きたい気分であった。出来た長方形の環に、最後に金の十字架がぶら下げられる。
十字架は彼らの神の象徴だと聞く。
そして、その環が、ふいごのついたランプのような器具で、溶かし、塞がれる。

両の乳首に彼らの紋章をぶら下げられ、私のプライドは粉微塵に打ち砕かれた。
そんな私の無残な姿を、王が顎に手をやり、彫刻家が己の作品を思案するかの姿をとる。王の視線と、兵士たちの視線、そして何より、部下であるはずの神軍の戦士や、戦乙女たちの、屈辱と、憐れみと、そして侮蔑と嘲りの入り交じった視線が全身に突き刺さり、体を熱くする。

「いま一つだな」

王が冷たく言い放つ。
そして、王の指が私の、まだ人の指に触れたことのない血と汗に艶光る陰核を捉える。薄皮を剥かれ、心拍の度に痙攣を繰り返す、小さな肉芽の包皮が限界までめくりあげられ、ぎりぎりの所に錐が押し当てられる。

「いや、しかし今度のは本当にきついだろうからねぇ」

王が憐れみの目を私に向け、錐と指から私の肉芽を開放する。普段の私なら、敵から憐れみを受けるなどという屈辱を、死んでも選ばなかっただろう。だが、今、恐怖のどん底に陥れられていた私は、涙を流し、王の慈悲に感謝した。

「口を開けたまえ」

王の言葉に、私は喜んで口をあけた。

「口を閉じるなといっても君は口を閉じるのだろうから、少し我慢したまえ」

大きく口を開く私に、王が、相変わらず淡々と告げる。
そして、王は自らの手で、私の口にOの字型のリングのついた轡をはめ込む。
歯をがっちりくわえこむその轡は、吐き気を催すほどに私の口を大きく開くが、あんな所にピアスをされる恐怖に比べればそれこそ些細な苦しみであった。
例えこの口に王の小水を注ぎ込まれようと、私は陰核に環を通される苦痛よりは喜んでそちらを選ぶつもりだった。開かれっぱなしの口の端から、だらだらと涎がこぼれる。

「これで準備は完了だね、激痛のあまり舌をかまれては困るからね」

王がにこやかに述べ、私の股間の前にひざまずき、そこに息がかかるほどに顔を近づける。

「さて、作業再開だ」

刻まれた恐怖そのとき初めて、私は王の言葉が慈悲によるものでも憐れみによるものでもないことを思い知らされた。私は騙されたのだ。いや、敵の慈悲など期待した私が、愚かだったのか。王の指が再び私の陰核を捉え、その包皮をめくりあげる。その時点で私の心はまさに絞首台の前の死刑囚の気分であった。

「やめて欲しいかね」

王が問う。私は千切れるほどに首を縦に振った。涙を流して、王の許しを乞えるよう、必死で肯首する。

「答えたまえ」

私は、再び裏切られた自分の身に、自分の事ながら情けなく、涙をこぼした。

「答えたまえ? 答えられるはずがない。」

私の口には今、鉄の環がはめられているのだから。それでもなお、必死に答えようと人語にならぬ喘ぎを漏らす自分の無様さに、我ながら情けなさがこみ上げてくる。だが、それでもなお答えようと喘がずにはいられないほど、王の行為は私にとっての恐怖であった。

「答えんのかね。残念だよ」

心底残念そうに、しかし、決してそうは思っていない王の呟き。王の左指に力が込められ、私の、恐怖に緊張する陰核をさらに固く、充血させる。そして、ことさらゆっくりと錐が柔肌を突き立てられる。今度は乳首の時とは異なり、まっすぐ、縦に。

「あががぁぁぁぁぁぁああああっっっっっっ!!!!」

鋭い錐が、ことさら神経の集中したその部分を責め貫く。下から私の陰核を突き破り、血にそまった鋭い穂先が凶悪な輝きを放つ。穴を広げるため、王が錐を手前に引く。その度に陰核に千切られそうな激痛が走る。やがて錐が引き抜かれ、20センチを優に超える、螺旋に細かな溝を彫った、銀の棒がねじりこまれる。

やすりのような溝が肉を擦り、痛みに、もはや声もでない。秘唇があえぐようにひくつき、粘液が溢れ出す。そして、陰核のうえ3分の1を残したあたりでようやく凌辱は収まる。

「あああああ」

顔中をなみだとよだれで汚し、私は喘いだ。と、棒の両端から、六角環状の、内に螺旋を刻んだ、いわゆるナット状の銀の環がねじこまれ、棒を私の陰核に固定する。ペンチを使って締めあげ、固定されたそれは、肥大した私の陰核に半ば埋もれ、間断なく疼きをうみだす。しかも、ご丁寧にその上から、溶けた銀が盛られ、ナットが固定される。そして王は暫く細身のナイフで何か細工を始める。地下の小人たちもかくやという巧みさで彼が完成させたのは、鉛の烏であった。
烏! 大神オーディンの使いであり象徴。
その烏の背に、王は穴をあけると、私の陰核の下に伸びる銀の棒にその烏をねじ込み、固定した。まるで私の性器を啄もうとする死鳥のように。王が指で棒をはじくと、烏が私の尿道口をついばむ。
しばらく思案し、王は次に烏の翼を私の大陰唇にピアスで固定した。烏を押せば、陰唇が開いて、むき身の私の性器が烏の爪と嘴で責めたてられるように。

なんとも滑稽な細工ではないか。大神の御子たるこの私が、左乳首に人間の王国の紋章、右乳首に人間の神の象徴をぶらさげ、陰核からは父神の使いを陰部にぶらさげ、その烏に性器を弄ばれるなどとは。ばかばかしくて笑うしかない。
しかし....現実に私の頬を濡らすのは、悲しさの涙であった。

「サービスだよ」

陰核から、烏の細工を貫き、下に伸びる銀の棒の先端に、ゴルフボール程の鉛の球が固定される。鉛の球を持ち上げ、放すと棒全体が私の陰核を支点に振り子のようにゆれ、烏が何度も尿道口を啄む。しかも、重い。その重みが全て陰核と陰唇にかかり、千切れそうだ。両腕が後ろ手にひねりあげられ、両の枷がつながれる。
そのまま突き飛ばされた私は両膝と乳房で体重を支える形になる。

「さて、その恰好で床掃除をしてもらおうか」

精一杯の抵抗を込めた私の視線に、王が股間の烏を蹴りあげる。私の最も敏感な部分にくわえられるその暴力に、私はたまらず涙を零し、屈してしまう。
焼けつくように痛むその部分が、果たしてどんな状態なのか見ることもできないその姿勢のまま、私は王の言葉に屈し、舌で床の汚物を舐めはじめた。手を使えず、這いつくばって床を舐めるという作業は屈辱の極みであったが、体力的にも相当辛い作業であった。床に舌を伸ばすためには胸が邪魔で、代わりに、ことさら腰を高く突き上げる必要があり、そうすると今度は体重が胸にかかってかなり苦しい思いをするはめになる。性器も、肛門も丸見えになるほど高く突き上げざるをえない腰に、熱い視線が注がれるのを感じる。
バランスの悪い腰が揺れる度に、陰核と秘唇の責めが私を苛む。惨めで不格好な姿を衆目に晒す、屈辱とも緊張ともつかぬ、胸を締め上げる感覚と、純粋に生理的な息苦しさに、次第に気が遠のきそうになる。

犬のように舌をつきだし、肩で息をしながら、私は床を必死で這いずり、喘ぎ、のたうった。苦しさのあまり視界がかすみ、目の焦点がずれ、白目をむきながら、ただただ勝者の慈悲を求め、私は床を舐め上げた。脂汗にまみれた全身が痙攣し、むき出しの膣口がひくつく。ついに耐え切れず、私は、膣口から体液を垂れ流しつつ、一瞬、気を失いそうになった。

「ぎっ!!」

ついに崩れ落ちそうになった、私の突き出したお尻の穴に王が2本の指を突き入れ、私の体をひきあげる。突然指を排泄器官に逆入させられた激痛に、昏濁した脳裏に電流が走る。

「誰が気を失ってよいといったね? え?」

王が私の腰を、わずか2本の指でがくがくと揺する。お尻の穴が千切れそうな激痛に私は謝罪の言葉を繰り返す。

「すみません! すみません! もうしません! 許してぇ!」

その謝罪に、王が今度は指を勢いよく引き抜く。

「あぎゃっ!」

お尻の穴が裏返って内臓ごとひきずり出されそうな感覚に、思わず呻きをもらしてしまう。糸を引いてこぼれるよだれと、私自身の体液が余計に床を汚す。

「さあ。掃除を続けたまえ」

王の言葉に、私は再び舌を伸ばし、床の水たまりを舐め上げ、すすり始めた。
直立不動のまま動けぬ戦乙女たちの足元まで這いより、立ちながら失禁し、すすり泣く娘たちの足元の水たまりを舐め上げ、綺麗にする。

「ラ、ライラさまぁ....ごめんなさい、ごめんなさい!」

恥ずかしそうに顔を手でかくし、すすり泣きながら謝罪する娘たち。最初に殺された親衛隊長のジークの恋人であった戦乙女、アルフヒルドの、屈辱のなかにも毅然とした怒りをもった視線が、余計に自分のみじめさを思い出させる。

「謝るな! お前たちが悪いのではない!」

屈辱に顔をしかめながら私は吐き捨てるようにそういった。娘たちの気を思いやってというより、自分自身に言い聞かせるように。そうでなければ、私自身が彼女たちを憎み、恨んでしまいそうだったからだ。そんな私に生き残りの男、親衛隊の副長のオルニスが視線を注ぐ。それは嘲りとも侮蔑ともつかぬ、見たこともないような熱い視線であった。一瞬目が合い、私は慌てて顔を伏せた。

男の胸から腰に目を移し、洋袴ごしにもそれと解る膨らみに、王の蛇に似た性器を思いだし、顔をそむける。だが奴の足元にも飛び散った血だまりがあるとなると、私も顔を背けてばかりもおられない。副長の足元まで這いより、床を舐めあげる。

「....ライラ様....」

男がつぶやくように口にした言葉に、私は顔も上げず、黙れ。とだけ答えた。
部下たちが私を、「ライラ様」と呼ぶ度、私は自分の無様な姿を思い出すことになる。
神軍の将軍が、大神の寵厚い軍天使のこの私が、こんなところでこんなことをしているという事実を思い出さされることとなる。顔を伏せたまま作業を続ける私の目の前、オルニスの足元に、小水でも血痕でもない、白濁した汚物がこぼれている。
何かは良く解らなかったが、王の叱りを恐れた私は生臭いそれをすすり上げ、飲み込んだ。
と、頭上から短い声が耳にはいる。

思わず顔を上げた私を、あきれたような嘲笑をもって見下ろす男の顔。口の端から白い汚物をしたたらせ、睨み上げた私に向けられた男の視線に、しかし悲しみが含まれているのに気付き、私はなぜか胸が痛んだ。たしかに、上官のこんな無様な姿を見せられたら悲しくもなるだろう。私はついに顔を伏せ、再び床を舐め始めた。
この事件が、後に私の人生を大きく変えることになるという事実を考えないようにしながら。

敵の見守る中、屈辱の姿をさらし続け、私が開放されたのは実に三日の後のことであった。
開放されたというより、半ば打ち捨てられたというほうが近い状況の私は、同情と侮蔑の目線を投げかける部下の肩を借り、ガウン一枚だけをまとって、逃げるようにその地を去った。
替えの下着を渡してくれた部下もいたが、この姿では下着を身につけることも叶わない。

私は、屈辱と恐怖に肩を震わせながら一路、アスガルドへと帰路についた。
大神の居城、ヴァルハラに帰り着いた私は、誰にも顔を合わせぬよう顔を伏せ、逃げ込むように私室へと急いだ。扉を閉め、鍵を掛け、そして姿見の前で恐る恐るガウンをはだける。

無様な姿だ。嫌らしく肥大した胸の先端、真っ赤に充血した乳首に光る獅子の紋章と十字の聖印、てらてらと濡れ光る剥き身の陰核を貫く細長いシャフトと性器をついばむ鉛の烏。赤く腫れ上がった陰唇につながれた翼。それらに鉛の重りが力をかけ、ゆらゆらと揺れる。

その無様な姿に私は思わず崩れ落ち、声を出して涙を流す。崩れ落ちた拍子に、陰核のシャフトがよじれ、秘唇が引きつる。
私はあわてて腰を浮かし、痛みにこらえる。性器が千切れ飛ぶような激痛に、しかし私の膣口からは熱く濃い液体が滴り落ちる。

「ライラ様、少し、お話が」

そのとき、部屋の扉を叩く音とともに男の声が聞こえる。親衛隊副官、いや、戦死した隊長に代わり私の親衛隊長を勤めることになったオルニスという名の戦士の声だ。

「少し待て!」

あわててガウンをまとい、ことさら裾と懐を締める。
普段なら短衣に洋袴といった服装を好み、ガウンなどというしまりのない恰好はしない私であったが、今回はそれ以外に身にまとうものがない。それ以前に正直言って今日の失態を知っているものには会いたくはないのだが、将軍としての立場上、そうも言えないのが辛い。

「何の用だ」

扉を開け、私は問うた。そこにいたのは元親衛隊副長オルニスのほか、今回もう一人の生き残りの衛士ヘルギと、生き残りの戦乙女六人の計八人であった。
私が彼らを部屋に招き入れ、再び扉と鍵を閉じると、おもむろに中心のオルニスが口を開いた。

「本日の戦果の報告に際し、ご相談があります。将軍」

新親衛隊長の言葉に、私は顔から血の気が引くのを感じた。
今日の事を大神になんと報告すべきか、それは私の大きな悩みの種であった。
ありのままの真相を語れば、私は間違いなく父の寵を失う。
しかし、偽の報告などして、万一にもばれた場合には、どんなお叱りを受けるか想像すらつかない。
大神に嘘をつくことはすなわちアスガルドへの反逆と見なされるからだ。

「我等一同、今回のような屈辱は初めてです。将軍がありのままを報告されても、我等も、将軍も永劫に晴らせぬ屈辱にまみれるだけです。どうでしょう、皆で口裏を合わせ、今回の件をなかったことに、というのは」

唾棄すべき偽証の申出に、しかし私は甘美な魅力を感じてきた。
日頃の私なら決して受けぬどころか、逆に断罪するような、事実、断罪してきたこの手の申出に、私は暗い笑みを浮かべ首を縦に振っていた。

「親衛隊にしても隊長以下12名をわずか一人の、人間の戦士に殺されたなど恥辱このうえない事ですし、戦乙女たちにしてもなすすべもなく失禁などとは今後の任官に関わります。そして将軍に至っては」

「止めろ!判っている!」

多少の厭味のこもったオルニスの言葉に、私は思わず吐き捨てるように制する。
私が先代を重んじ、いささか彼を軽んじてきたのは、この性格によるところも大きい。
分かりきったことを、私が乗らずにはおられないこの提案を、わざわざあの様な言い方をするあたりが私は嫌いなのだというのに。

「そこで、今回の失態は・・・」

アルビオンの聖剣、神をも殺しうる超兵器の思わぬ力によるもの。
さもなくば我等二十人がわずか一人の剣士に遅れを取ることなどあろうか。
オルニスが半ば神掛かったような口調で私たちの意志統一を図る。
確かに聖剣のせいにすれば、取り敢えずの責任の所在は回避できよう。
私たちは、改ざんされた事実の、時間の流れに伴う経過とその前後関係の意志統一を完了した。
極秘会議を終え、私が部屋の鍵を開けようと立ち上がるのを、彼が制する。

「いや、もう一つの選択もありまして、ライラ様」

不審に思いつつも私は足を止める。

「全ての責任を、聖剣でなしにライラ様に求めるという手もね」

「どういう意味だ!」

親衛隊長の言葉に、私が思わず食ってかかる。

「敗走の原因を、ライラ様の采配ミスと見れば我々はね。
どちらを選ばれます?」
「回りくどいな。何が目的だ?」

そうなのだ。こいつのこういうところが嫌いなのだ。

「まずは日頃の、女王然とした態度を改めて貰いたいのですよ。今回にしたって、戦士隊の壊滅は明らかに貴女の命令が原因です。彼女たちのなかにも、貴女のせいで恋人を失ったものもいるのですよ」

オルニスの言葉に、戦乙女の一人が刺すような視線をこちらに向ける。
先代親衛隊長ジークの恋人の、アルフヒルドという娘だ。

「アルフ....そのことに関しては、私もすまなかったと思っている」

私には想い人はいないが、彼女の気持ちは想像できる。
私はいたたまれず目を伏せ、謝罪した。

「それにね」

オルニスが私に詰め寄り、そして私のガウンを一気に引き千切った。

「なッ!」
「こんな無様な、あさましい姿を晒した女に命令されたくないんですよ」

男の指が私の股間に滑り込み、濡れたしずくを指ですくい、持ち上げる。

「こんな浅ましい女にね」

あまりの屈辱に心臓が一瞬凍りつく。あまり好きではなかった男とはいえ、まさか部下の口からこんな言葉を投げかけられようとは。
私は、恥ずかしい裸身を部下たちの前に晒したまま、全く身動きすることすら出来なくなっていた。
憎むべき敵の手で屈辱の飾りを施された三つの突起が真っ赤に充血し、張り詰めた皮膚が艶やかに輝く。それを意識しながら、私には自分の体を落ちつかせる術がなかった。

「な、なにが、望みなんだ」

私は両の手で胸と秘部を隠しながら、消え入るような小声で強がった。
いや、強がったつもりでいたのは私だけであろう。
周囲を取り囲む目はどれも、侮蔑、優越感、憐れみ、嘲笑に満ちたものばかりで、それがますます私の惨めさを際立たせた。

「だから、まずはその女王然とした態度をあらためろって言ってるんです。それから、もう私たち部下をないがしろにせず、私たちの言葉にちゃんと耳を傾けるように。自分基準の無茶な作戦を改め、今後は生き残れる作戦を展開してくださいよ。あと、私たちを裏切るような行為は謹んでもらいたい」

アルビオン以来、私は被害妄想に陥っていたのかもしれない。
恐れていたよりはるかにまともな要求に、私は安堵の息を漏らした。

「わかった。改めるようにしよう」

こういった状況下でこんな要求が出されるほど、以前の自分は尊大だったのか。
そう考えるといささかばつが悪くも思うが、その程度の事なら改められよう。

「ほかに、何か頼みはないか?いい機会だ。聞いておこう」

不利な状況下にある、私自身の保身を謀る気持ちも多少はあったが、私は皆と今後もうまくやっていきたい気持ちで、もう一つ、問うた。
多少媚を含んだ笑顔を見せる私に、しかし笑顔を返すものはいなかった。
娘たちの済まなそうな、いたたまれないような視線、アルフヒルドの悪意に彩られた微笑、そして、男どもの嘲りの目。何か、私の知らないところで何かが企まれている。
そんな空気があたりを包んだ。

「何だ、お前たち、その目は?何か言いたいことがあるのなら、言ってみろ」

再び警戒心もあらわに、私は尋ねた。娘たちが目線を背け、顔を伏せる。
一人尊大に胸をそらした元親衛隊副長が、私の体を見下す。

「それが、私たちの気に障る、というのですよ」

男の言葉に、私はいったん口をつぐむ。

「なら、何と言えば良いのだ」

それでも、何とか互いの為にもと譲歩の気持ちをもって、私は素直に尋ねた。

「『今後はみなさまのお気に触りませんよう配慮致しますので、今日の非礼はどうぞお許し下さい』ぐらいは言えないのですか?」
「なッ」

思わず怒鳴りつけたくなる気持ちを抑え、私は今の自分の立場を考えた。
逆らえば、お互い不快な思いをすることになるだろう。
それに、正直、私も今回の件で、今後は部下とうまくやっていきたいという気持ちになっている。
多少のプライドは捨てても、所詮はここだけの話だ。

「今後はみなさまのお気に触りませんよう配慮致しますので、今日の非礼はどうぞお許し下さい」

多少むっつりしながら、私は復唱する。
その復唱に、親衛隊長は小さく頷いた。

「そうそう。プライドよりは保身を取って下さるほうが我等も安心です。このことは誰にも話しませんから、あなたのプライドも保たれますよ。ライラ様」

もちろん、私はあまり面白くはない。
だが彼らが口裏を合わせてくれるならそれに勝る幸いはないし、私が、優しくしてやってるのだと考えれば腹も立つまい。
私の口調が多少きついのは、私も認めないわけではないからな。
そう心の中で納得をつけ、私は心の奥にくすぶる小さな火を揉み消した。

「ライラ様がプライドより保身を取ってくださるなら我等も安心ですが、我等が偽証して、ライラ様がやはりプライドに屈して保身の為の嘘を潔しとされないと、我々も破滅です」

男が再び、文官のような物言いで私を苛立たせる。

「どうか、本当にプライドより保身が大切だという証を見せてください」

下卑た笑いを口許にへばりつけて、奴は続けた。

「どうしろと言うのだ!私の体でも捧げろとでも言うのか!」

オルニスの言葉に、私は文字通り吐き捨てるように問うた。
そんなものをどうやって証明しろというのだ。
私のこれまでの譲歩で十分であろう。このうえ何を法外な要求があろうか。
例え体を要求されても、私には断る術がない。
だが、娘の私の純潔を汚すのはすなわち大神への不忠。
いくらなんでもそんな危険な橋を渡ってまで、女の体を要求する馬鹿はおるまい。

「いえいえ。そんな大それたことを」

案の定、奴は首を振る。
首を振りながら、洋袴の前から、太い蛇を思わせる器官をだらりと私の前に出して見せる。アルビオン王に初めて見せられた、男の排泄器官だ。
思わず顔を背け、男の顔を睨み付ける。

「何の真似だ!」

だが奴は悪びれる風でもなく、再び私に要求した。

「その場でひざまずいて、これをおしゃぶりしてもらえますか?保身よりプライドが大切なら、別に結構ですが」
「そういうレベルの問題じゃないだろう!これは!」

思わず声を荒くする私を、男は制する。

「静かに。誰かに気付かれたら破滅ですよ。私たち全員ね。それに、こういった行為でこそ、貴女の価値観が掴めるというものです。プライドを取って私の申し出を蹴るならそれも良し、プライドを捨てて男に奉仕し浅ましくも保身を謀るなら、それもまたよし」
「くッ」

屈辱に唇を噛み、一瞬、この破廉恥漢を切り捨てたい欲求にかられる。
だが、それは決してかなわぬことだ。
私の私室で部下を切り殺し、前後関係が追求されぬはずがない。
そうなれば当然、大神は私の純潔を確認するだろう。
そして、私の純潔と、この醜い体を見られることになる。

私は、血の涙を流す思いで男の前にひざまずいた。
そして力なく垂れ下がったそれを左の手で支え、精一杯伸ばした舌先でその先端に軽く触れる。

「これで満足か」

私の問いに、オルニスが右の手で私の頭を押さえつける。

「何かしましたか。ライラ様。ここまでやったら同じですよ。しっかり奉仕してもらいましょうか」

鼻先に突きつけられたそれに顔をしかめながら、私は再びそれに舌で触れた。
舌を伸ばし、犬が皿のミルクを舐めるようにそれの先端を舐め回す。
と、それが脈打ち、次第に大きく、体積を増す。

「ひッ」

見知らぬ器官の恐ろしい反応に、私は思わず短い悲鳴を漏らした。
充血し、どんどん熱く硬くなるそれから、私は思わず手と舌を離した。
およそ五割は体積を増したソレは、私が手を放したにも拘わらず、雄牛の角のようにいきり立ったままであった。奴はその、唾液で濡れた先端を私の唇に擦りつけ、この私にさらなる奉仕を要求してきた。

「さ、ライラ様、コレ全体を口に含んで、丹念に舐め回すんです。ただし、噛んだら承知しませんよ」

と、爪先を私の性器を嬲る烏に掛ける。
そして、それに軽く体重をかけた。
それだけで陰核と陰唇に、千切れそうな痛みが走る。

「判った!噛まん!舐める!だからやめてくれ!」

堪らず涙をながして私は哀願した。
そしてその赤黒く光る頭の部分全体を口に含み、望みのとおりに舐め回してやる。
と、奴は私の頭を両の手で押さえつけ、それを私の喉の奥まで遠慮容赦なしに押し込んできた。

「うぶっ」

思わず吐きそうになった私の呻きに、奴は腰を引き、そして再び腰を突き出す。
少しずつその速度を増しながら、腰をグラインドさせてくる。
吐き気と不快感に苛まれ、思わずわずかにそれに歯を立ててしまう。
と、男は慌ててそれを私の口から引き抜き、怒りの表情もあらわに私をにらみつける。
その表情に身の危険を感じた私は男が怒る前にあわてて謝った。

「すまん。痛かったか。そんなつもりは....」
「ええ、このくらいね」

謝罪する私の股間の、烏の飾りを思いきり蹴り上げ、男が囁く。
嘴が尿道口を突き刺し、爪が秘肉をえぐる。
と、呻く私の隙をついて腕を後ろ手に縛り上げ、口に轡をはませる。
Oの字型のリングで口を閉じられないように固定するタイプのやつだ。

「無理やりやらせるつもりで持って来ておいてよかったですよ。どうせライラ様下手そうですし、こっちのがマシかもしれませんね」

男は、容赦なくそう言い捨てると、動かすこともままならない私の口、いや喉奥めがけてそれを打ちつけた。苦しい。本気で吐きそうだ。苦悶に、涙がこぼれそうになるのを必死にこらえる。
が、男の腰の動きは容赦なく早くなる。と。
私の口を貫く肉の槍の先端から、何かぬるりとした生臭い粘液が漏れた。
その汚物を思わず床に吐きだし、その白い粘液を見つめる。
これは、たしか....。

「ライラ様が私の精液口にするのは2回目ですね。アルビオンではライラ様があんまり色っぽいんで、思わず漏らしてしまいましたが」

そうだ。
アルビオンの王城で屈辱の床掃除をさせられていたとき、こいつが足元に漏らしていた汚物だ。
これが、男の精液なのか。思いだし、吐き気にかられ、床にのたうち、呻きを漏らす。
しかも、私のあんな姿に欲情していたというのか。こいつは。

「他に何かライラ様に望みのあるものはいるか」

床で呻く私の頬に足をかけ、男が尋ねる。

「ライラ様、ごめんなさい」「許してください、ライラ様」「どうか、お慈悲を」
戦乙女の娘たちの、私の怒りを恐れた哀願の声。

と、視界の効かぬ私のお尻の穴を、何か温かくぬるっとしたものが舐め上げる。
舌だ。誰かが私の肛門を舐め上げたのだ。

「ひゃうっ!」

突然の違和感に思わず悲鳴を上げてしまう。

「ライラ様の純潔に手ぇつけると、後が怖いんで、ケツで我慢しますわ」

この部屋にいたもう一人の衛士、ヘルギの声だ。
と、突然、何の前触れもなく焼けた火箸を肛門に突き立てられたかの激痛が私を襲った。

「ぐわあああっ!」

男が、今度は私の肛門にいきり立った性器を突き立てて来たのだ。
男がそれを私の肛門に出し入れする度、肛門がめくれ上がって、内臓がかき出されそうな激痛が走る。
脳の奥で火花が飛び散り、激痛に脂汗と涙とよだれと、とにかく全身の体液が垂れ流しに流れる。

「あぎぃっ!ぐひぃっ!」

私の体など思いやりもしない腰の動きが、私の下半身の感覚を奪う。
四つ這いの私の背に覆いかぶさるように私の体を抱いていた男が、突如私の両足に手をかけ、体を起こす。
まるで、おしっこをさせられる赤ん坊のようなポーズでお尻を犯されながら衆目に晒される。
高々と上げられた足と、肛門の器官で全体重を支えさせられ、男が下から腰を突き上げる。

「ひぐっ!ひぐっ!」

激痛に顔をしかめながら呻く私を無視し、ヘルギはオルニスに言った。

「もう一本突っ込んでみようぜ。処女尻によ」
「やっ、やめてっ!」

あがく私を無視して、私の肛門にもう一本の肉の槍が突き立てられる。
私は白目を剥き、声にならぬ激痛に涙をほとばしらせる。
前後からサンドイッチのように男に挟まれ、同じ肛門を犯される。
もはや足掻く気力もない私は、全身の力を抜いて男たちの腰の動きのままに体をゆらした。
男の下腹で押し付けられた烏が秘肉に食い込む。
赤く腫れあがった柔肉がずきずきと痛む。

「頼む....もう、やめてくれ」

息も絶え絶えに哀願する私をよそに、二人の男は思い思いにその器官を私に突き入れ、引きずりだし、私の体を蹂躙した。肛門の筋肉が千切れ、内臓がこぼれだしそうな不安感にすすり泣く。

そして、二人の腰の動きが次第に早くなる。と。
何か熱い粘液が、私の腹の中に勢い良くぶちまけられた。
どくっどくっと脈打つように。

満足した二人に投げ捨てられた私は、床に倒れ伏したまま肛門から白濁した汚物を垂れ流しながら、全身をひくひくと痙攣させた。肛門の痛みよりは屈辱に、涙がにじむ。

「さ、今度は口で綺麗にしてくださいね。ライラ様」

そんな私の鼻先に、追い打ちをかけるように力なく垂れ下がった性器が突きつけられる。
どうせ否はないのだ。
私はそれを口に含むと、まだ中に残っている精液と回りにぬめる粘液をすすり、舐め上げた。
まず、オルニスの分を。
次第にそれが硬度を取り戻してくる。
両の手で私の顎と頭を押さえ、再び口中にその肉棒をこすりつける。

もう一本の肉棒が今し方の凌辱に震える肛門を再び刺し貫く。
今度は四つ這いの格好で口と尻を犯され、私はいつ果てるとも知らぬ凌辱に涙をこぼした。
機械的に腰を振る二人。
先に果てたのはオルニスであった。
私の舌の上に大量の汚物をぶちまけると、私の鼻をつまみ嚥下を強いる。
私は吐き出したくて堪らなかったそれを、息苦しさに負けてのみくだしてしまう。
生臭い汚物が、胃の中をよじるように苦しめる。

「早いじゃねえか。やっぱあこがれのライラ様にして貰うとあっというまにイっちまうか?」

ヘルギの言葉に、しかし衝撃を受けたのは私の方だ。
あこがれのライラ様、だと?だがオルニスはその言葉にはき捨てるように答えた。

「私のあこがれたのは気高く、清楚な、神々しいライラ様だ。こんな汚物をすすって保身をはかるような雌狼じゃない」

男の言葉が、ガラスのナイフと化して私の胸に突き刺さる。
なら、私にどうしろというのだ。
文句の一つも言ってやりたかったが、轡をはめられた私には何の文句も言ってはやれない。

「じゃ、俺もその雌狼のケツの穴でもっぺんイかせてもらうか」

お尻を、平手で叩きながら、ヘルギが腰を振る。
容赦ない平手が叩き込まれる度に、私の身がすくみ、肛門で肉棒を締め上げさせられる。
それがいいのか、男の平手は益々エスカレートし、ペースと力を増す。
そして、ひときわ強くそれが奥に押し込まれると、熱いほとばしりが腸を襲った。
これでやっと解放される。

私がそう思ったのも束の間、男はまだ半分硬度を残したそれを2、3度前後させる。
そして。
さきほどとは比べ物にならないほどの大量の液体が私の腸内に注ぎ困れた。
小水だ。
私の腸のなかに、放尿しているのだ、こいつは。

「げぇぇっ!」

余りの不快感に呻きを漏らす。

「小便はもうこの間で慣れただろ。....抜くぞ。しっかりケツ締めろよ。こぼすと後で臭うぜ。そうなったら説明できねえだろ。大神でもこられた日にゃあ....」

男の言葉に、思わず痛む肛門を締め上げる。締まる肛門からしぼるように性器が引き抜かれ、私はそれが抜けると同時にお尻の穴を閉ざした。
そして、力を失い、床に崩れ伏す。

「他に、誰かライラ様に望みのある奴は....」

オルニスに代わって、ヘルギが場の主導を取る。

「....その女、二人で立たせてやってよ」

男の言葉に、冷たく答えたのは戦乙女の一人、アルフヒルドだ。

「あああ....」

轡のせいで言葉にならない私の声。
二人の男が両肩で私を支える。
完全に腰の砕けた私は、二人の男につるされるように立たされた。
アルフの左指が、私の右の乳房に食い込む。

「この女のせいであの人は....」

アルフが、死んだ恋人のことで私を責める気持ちは解らんではない。
私は、うなだれたまま乳房の痛みに耐えた。

「お前の無茶な命令で何人死んだとおもってるんだ!!」

両の乳首ののピアスをでたらめに引っぱり、女が私を責める。

「何とかお言い!」

私の口から轡をもぎ取り、女が噛みかかる。

「すまない。悪かったと思っている」

私は、力を失った体に鞭を打ち、かろうじて視線だけを彼女にあわせて謝罪した。
だが、女は私を許してくれる気配はなかった。
陰核に通された銀のシャフトをつかむと、陰核がちぎれんばかりにひねりあげる。

「こんなあさましい姿晒して生き恥晒せるなら、何で皆に死ねと命令したのよ」
「いぎぎぎっ!し!死ねなんて私は!」
「同じコトよ!あんなバケモノに攻撃命令出して、死なないわけないでしょう!」

閉じた傷口から、再び血がしたたる。

「お前が皆を殺したのよ!」

激痛と後悔に全身の力が抜ける。

「そうかもしれない。....私が、殺したようなものかも....」

うなだれ、力なく私は答えた。

「じゃあお前も死んで詫びなさい!」

男二人に支えられ、身動きできない私の前で女が短剣を構える。
と、瞬時に男が反応し、私を庇い、前に出た。
ヘルギだ。
オルニスに私を預け、アルフの手の短剣を叩き落とす。
どうやら、男たちは私を殺すほどには憎んでいないらしい。

「おいおい。殺すことはねぇだろ」

ヘルギが言った。

「ライラ様にも、贖罪の機会を差し上げなきゃな」

贖罪の機会。
いま、この場で罪を償ったつもりになっていたのは、どうやら私一人だけだったらしい。
私がその言葉の意味と、男の本当の悪意を知るのは今しばらく先の話であった。

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