女子バレー部の理不尽な罰

屈辱が日常の少女たち。

パンツ丸出しで立たされる

 どの組織にも、多かれ少なかれ特有のルールがあるものだと思います。中には、外部から見たら異常とも思えるようなものさえあるでしょう。
 今はどうか知りませんが、私が中学校に通っていた時、女子バレー部の部員は、指定のパンツしか履いてはいけない決まりになっていました。ブラジャーは何色でも良かったのですが、パンツだけは、無地の白と決まっていたのです。しかも、生地がおへそまで届くくらい布面積の大きい、女児が履くようなパンツ限定です。
 ただ、下着チェックは2年生が1年生にすることになっているだけだったので、2・3年生は好きなパンツを履いていました。ルール違反ではあるけれど、誰もチェックしないのだから、暗黙の了解としてセーフということになっていたのです。
 一方、1年生に対するパンツ検査は厳しくて、毎日行われていました。
 卒業した後から考えれば馬鹿げた話だと分かるのですが、当時の私たちは、そのルールを絶対のものとして受け入れていました。先輩たちが当たり前のように言うので、新入部員も、そういうものかと思ってしまうのです。最初は納得が行かなくても、そのうち、それが当たり前になってしまいます。
 下着検査は、部活が始まる直前に行われていました。場所は体育館二階の隅です。二階は男子バレー部や男女のバスケ部も使っているのですが、お構いなしでした。これに対して1年生が文句を言うことはできません。
 ブルマ姿で壁際に並んだ1年生たちは、先輩の合図で、一斉にブルマを膝まで下ろします。男子バレー部や男子バスケ部からの視線を感じても、体操服の裾を伸ばして下着を隠すことは、許されません。どれだけ恥ずかしかろうと、膝にブルマを引っ掛けたまま「気を付け」の姿勢で、先輩の下着チェックを受けなければならないのです。
 チェックは目視なので、時間はそんなに掛かりません。せいぜい、ひとりにつき一秒か二秒といったところです。無地の白で、おへそがパンツで隠れているようなら、一発合格です。おへそまで布地で覆われていなくても、まあそこに近いくらいならオーケーです。しかしこの辺は、先輩の裁量次第でした。先輩たちは、ローテーションを組んで下着検査を担当していたので、日によってチェック基準が少し変わったりもしました。
 新入部員は、最初の頃、先輩ごとの加減が分からず、女児用ショーツを履いて万全を期すことがほとんどなのですが、ごくたまに基準ぎりぎりのパンツを履いてくる子がいて、それが合格するかどうかを経験則で学んでいき、やがては、先輩の担当ローテから、今日は緩いから少しくらいの違反なら大丈夫、とか、明日は厳しい先輩が担当だから女児用ショーツを履くしかない、とか、色々と考えるようになります。
 担当の先輩が学校を休んでローテーションが崩れた時は大変です。緩い先輩の日に、厳しい先輩が代わりに担当したりすると、ひとりかふたりは不合格者が出てしまいます。
 私が中学1年生だった時も、そういうことがありました。
「パンツが小さい! なに色気付いてんの!?」
 と怒鳴り付けられた不合格者は、先輩に往復ビンタをされました。  それだけならまだいいのですが、さらに先輩は、「そんなにパンツを見せびらかしたいのなら、そのまま立ってていいよ!」と言いました。「いいよ!」なんて言い方をしていても、実際は命令でしかありません。
 不合格だった子は、その日の部活が終わるまで、ブルマを膝に下ろしたまま、パンツ丸出しの状態で直立していました。男子バレー部や男子バスケ部は、いつも通りに練習をしていましたが、ほぼ全員が、ちらちらと彼女に視線を送っていました。
 パンツ姿で晒し者にされたその子は、途中から泣き出してしまい、嗚咽を漏らしながら、しきりに涙を拭っていました。
 2年生になり、新入部員が入ってくると、今度は私もチェックをする側になりました。
 私たち2年生は、自分たちがやられたのと同じように、1年生を壁際に並ばせ、抜き打ちで下着検査をしました。
 恥ずかしくて脱げない子には、容赦なくビンタを食らわせます。
 1年生全員にブルマを下げさせると、白のパンツだけでなく、青とか黄とか、様々な色のパンツがずらりと並びました。事前に注意喚起をしていないので、当然の結果です。
 色付きなんて生意気だ、とかなんとか、適当な言い掛かりを付けて、全員に往復ビンタを浴びせます。白いパンツを履いてる子は半分くらいいましたが、布地が小さかったり、少し模様が入っていたりして、合格基準に達している子はひとりもいませんでした。
 私たち2年生は、検査される側からする側になった喜びもあり、いい気になって説教を垂れていました。
 しかし、です。3年生に意地悪な先輩がいて、突然、暗黙の了解を破って、私たち2年生を検査すると言い出しました。
 私たちは焦りました。だって、もう誰にもチェックされることはないだろうと思い、解放感も手伝って、みんな思い思いのパンツを履いていたのです。
 けれど先輩には逆らえません。私たちは、1年生の横に並んで、ブルマを膝に下げました。カラフルなパンツが露わになり、3年生に怒鳴り付けられた私たちは、往復ビンタを受けることになってしまいました。
 そしてその日は、1年生と一緒になって、横一列に整列したまま、ブルマを膝に止めてパンツを晒して立っていました。
 それにしても、と私は思います。いかに女子中学生同士のこととはいえ、下着姿で晒し者にするだなんて、とんでもないことがまかり通っていたものです。
 上級生になった途端に嬉々として加害者側に回ろうとした私が言うのもなんですけれど。

ブルマ接触禁止でハミパン放置

 私の所属するバレー部では、新入生に対する洗礼があります。
 基本的に1年生は、ブルマー姿で練習をするのですが、入部初日だけは、ブルマーを脱ぎ捨てさせるのです。上は体操服を着たまま、下はパンツ丸出しです。
 ただし、ひとりだけブルマーを履かせたままにします。
 流れとしてはこうです。
 今の時代、体育でも部活でも、ブルマーを採用している学校はほとんどないので、新入部員は、高校生になってから初めてブルマーを履いたことになるわけで、男の目がない女子校でのこととはいえ、みんな恥ずかしがっています。
 私たち先輩は、事前に警告します。
「ハミパンを気にしてブルマーの食い込みを直したりはしないで。練習中は余計なことをしない。当たり前のことだよね? 練習よりもパンツの方が気になるのなら、部を辞めていいよ。分かった? 分かったら、返事」
 1年生たちは、真剣な表情で「はい!」と答えます。
 しかしまあ、やはり初めてのブルマーですので、みんなハミパンが気になっているようでした。
 そのうち、こっそりとブルマーに指を差し込んで食い込みを直す子が出てきます。まあバレバレなんですけど。
 柏木という子がブルマーに触ったのを確認すると、私たち先輩は、練習を中断して、1年生を整列させます。
「やる気がないんなら、帰って。うちの部に怠け者は必要ない」
 そう言うと、1年生たちは、緊張した顔になります。
 そこで私たち先輩は追い込みを掛けます。
「お前のことを言ってんだよ! 柏木!」
 そう言って名指しするのです。
 実のところ、私たち上級生の間で行われた話し合いの結果、部活が始まる前から、柏木を標的にすることは決まっていました。
 柏木は、1年生の中では、中学時代に最も実績を残しています。次期エース候補であり次期キャプテン候補でもある子には、特別に試練を課して、精神面を鍛え上げる。そういう建前です。本当は、生意気そうな下級生の鼻っ柱を叩き折るためですけど。
「す、すみませんでした……」
 柏木は、震える声で謝ります。
 しかしもちろん許してあげません。
「ブルマーに触ったのはお前だけ! 他の1年はちゃんとやってるよ!」
 もちろん嘘ですが、とにかく柏木だけを責め立てます。
 そして、私たち先輩は、他の1年生にひとりずつ問い質していきます。
「ちょっとくらいブルマーがずれてパンツが見えてたって、恥ずかしくなんてないだろ? 練習でそれどころじゃないもんな?」
 1年生たちは順番に「はい! 恥ずかしくありません!」と答えていきます。
「ほら見ろ! お前以外の1年は、パンツの端を見られることくらいで集中力を切らしたりしてないだろ!」
 そう言って、再び柏木に怒声を浴びせると、彼女は、悔しそうに唇を噛みます。
 私たち先輩は、他の1年に命令します。
「どうやら柏木は不服そうだね。お前らの言うことが信じられないってさ。よし、1年、ブルマーを脱いでパンツ晒せ。恥ずかしくないってことを柏木に証明してやれ」
 1年生たちは、目を見開きます。まさか、という思いがあるのでしょう。しかし私たち先輩に迫られると、泣く泣くブルマーを下ろして、パンツを晒します。
 体育館の同じフロアには、私たちバレー部だけでなく、バスケットボール部も居たので、1年生たちはそっちの目を気にしています。まあ、バスケ部はバスケ部で色々とやることがあるので、そんなに見られたりはしませんが。私たちバレー部の後輩苛めは周知のことですし。バスケ部の新入生は驚いていますけれど、先輩から「よそ見するな!」と怒られ、慌てて謝ったりしています。
 柏木は、焦りを隠せない様子です。自分が責められていたのに、なぜか自分だけがブルマーを履き続けているのです。そりゃまあ、焦るでしょう。
「わ、私もブルマーを脱ぎます」
 と柏木は言いましたが、私たち先輩は認めません。
「お前はパンツを見られるのが恥ずかしいんだろ! 好きなだけブルマーを履いてろ!」
 そのまま練習を再開して、初日は終わりです。
 1年生の中で、下着晒しを唯一免れた柏木ですが、居心地悪そうにしています。ひとりだけ恥を晒していない彼女に対して、他の1年生の視線は、非常にきつくなっていました。
 すべては私たち先輩の計算通りです。
 次の日の練習直前、上級生しか使っていない部室にやってきた柏木は、「私だけブルマー無しで練習させてください」と言いました。どうやら、初日の練習が終わった後、同級生から相当に嫌味を言われていたらしいです。
 私たち先輩は、「パンツを見られたくないんだろ? 恥ずかしいのは嫌なんだろ? だったら、ブルマーを履いていればいい。そんでもって、気の済むまでハミパンを直してろ」と言って、相手にしません。
 柏木は泣きそうな顔をして、「恥ずかしくありません。パンツで練習しても集中できます。お願いします、ブルマー無しでやらせてください」と頭を下げてきます。
 そこで、私たち先輩は、「なら今すぐここでブルマーを捨てろ。そこにゴミ箱があるだろ。お前はもう二度とブルマーを履くな」と言います。
 柏木は驚いていましたが、やがて、震える手でブルマーを引き下ろし、ゴミ箱に捨てました。
 以降、部活中の柏木は、体操着にパンツ姿です。他の1年生がその姿を強制されたのは初日だけで、柏木だけが2年生になるまでパンツを晒し続けたというわけです。
 柏木の実力は、ほとんどの3年生よりも上でしたが、常にパンツ姿では、威厳も何もありません。ひとりだけ情けない格好をしている彼女が、1年生のリーダー役となることは、不可能でした。
 まあ、とはいえ、私たちが引退した後、ユニフォームで身を包むことができるようになった柏木は、それなりに上手くキャプテンを務めたようでしたけれど。

ふんどし状態のブルマー

 うちの中学校は部活が盛んです。特に運動部が強くて、毎年どこかの部が地区優勝していました。だからなのか、どの部も規律が厳しく、上下関係も絶対でした。
 それに、学校中で共有している伝統もありました。どこの運動部も、レギュラーと補欠で練習着が違います。それだけなら普通のことかもしれませんが、補欠の扱いが酷いんです。
 レギュラーはユニフォームです。試合と同じ。これは何の問題もありません。
 問題は補欠です。部員の大多数のことなんですが、こっちは、半袖の体操着に紺色のブルマーです。体操着は、授業で使っている自分のものを着れば良いのですが、ブルマーは、自前のものを履くことはできません。部が所有する紺色のブルマーを履かされるのです。
 部の所有物ですから、当然 中古です。洗濯は一年生がするのですが、週に一回しかできません。なので、週の後半は、汚れが酷いです。
 普通にしてれば、臭いが目立つことはないのですが、股間部分に鼻を近付けると、やはりきついものがあります。なにしろたっぷりと汗を吸っているわけですし。まあ他にも色々なものが染み込んでいることでしょう。
 ブルマーは、布地が擦り切れたりしない限り、次の年度も普通に使われます。毎年毎年、補欠の子が履き続け、週一とはいえ洗濯も繰り返されるわけで、ほとんどのブルマーは、小さく縮んでおり、紺色も薄くなっています。
 色はまあ良いとしても、サイズが小さくなっているのは非常に困ったことです。ただでさえ、ブルマーはお尻に食い込みやすく、パンツがはみ出てきやすいのです。適正サイズよりも小さいものを履いていたら、常時ハミパンはもちろんのこと、ブルマーがふんどしみたいになって、尻たぶが丸出しになってしまったりもします。
 そんなわけで、部の所有するブルマーは、物によって、サイズや使用年数に差があるのです。そしてそれは、いつも部室に保管されています。誰がどれを履くかは自由です。というか、早い者勝ちです。
 だから、部活が始まる前はいつも争奪戦が起きていました。みんな、少しでも状態の良いブルマーを履くために、先を争うのです。
 第三者がその光景を見たら、醜いと思うかもしれません。自分さえ良ければそれで満足なのか、と知った風なことを言う人だって居るかもしれません。
 しかし私たちは必死でした。部活の練習では、グラウンドをランニングします。他の部活の子に、ブルマー姿を晒すわけです。どこの運動部も、補欠は境遇が同じとはいえ、とても恥ずかしいことです。小さすぎるブルマーを履くわけにはいかないのです。
 それに、時として、学校の外周を走らされることもあります。ふんどし状態のブルマーを近所の人に見られて笑われるのは、トラウマものです。特に、小学生とか高校生とか、比較的 年が近くて、しかも同じ学生に笑われたりするのは、恥ずかしいやら悔しいやら、色んな感情が混じりすぎて、いつまでも慣れることができません。

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